「ありがとう」、最近ちゃんと口にしていますか?
誰かに何かをしてもらったとき、つい「すみません」と返していませんか?
本来であれば感謝を伝える場面なのに、遠慮や気遣いから、思わず「ありがとう」ではなく別の言葉を選んでしまう——そんなこと、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
大人になると、「ありがとう」がどこか照れくさく感じられたり、気持ちをうまく言葉にできなかったりすることがあります。実は、「ありがとう」と素直に伝えることが、心の健康や幸福感を高めることが、数々の研究で明らかになってきています。
2023年に博報堂「100年生活者研究所」が実施した調査(LINEアンケート、有効回答数889名)では、「ありがとう」という感謝の言葉と幸福度の関係性が明らかにされました。
「ありがとう」の回数と幸福度の関係は?

調査によると、「ありがとう」を1日に15回以上言っている人は、主観的幸福度が顕著に高い傾向が見られました。
自分に対する「ありがとう」で、100年時代を生きる

「自分自身に『ありがとう』を言う習慣がある」と答えた人(全体の約20%)は、人生に対する意欲や満足度が高く、「100歳まで生きたい」と考えている割合が約53%と、そうでない人に比べて高い傾向が見られました。
1日15回「ありがとう」を伝えてみる
これらの調査結果は、日常の中で感謝を意識的に言葉にすることが、対人関係の円滑化だけでなく、自己肯定感や人生の意欲にも良い影響を与える可能性を示しています。。
「ありがとう」という言葉は、誰にでも使える簡単な表現ですが、その頻度が多いだけで、幸福感が高まる可能性があるという点は非常に示唆的です。特に、「1日15回」という具体的な目安があることで、日常に取り入れやすい実践的な指標になっています。
また、他者への感謝だけでなく、自分自身に対する感謝の効果にも注目が集まっている点は、新たなウェルビーイングの視点と言えるでしょう。忙しさのなかでつい省略しがちな「ありがとう」ですが、それを丁寧に言葉にしていくことは、心の満足度や生きる力につながるかもしれません。
まずは今日、ひとつだけ「ありがとう」を増やしてみませんか?
そんな小さな行動が、あなた自身の幸福度を静かに引き上げてくれるかもしれません。
参考文献
100年生活研究所:「ありがとう」が100年人生を豊かにする?(発表日:2023年9月08日)
https://hakuhodo-rdc.com/100years_lab/posts/100report_250319_2/
(アクセス日:2025年7月1日)