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放課後等デイサービス「果実の木」社長が語る子どもたちの未来

障がいのあるこどもたちの「今」と「未来」を支える場所
放課後等デイサービス「果実の木」

桜十字グループの障がい福祉事業を牽引する放課後等デイサービス「果実の木」。熊本県内に13の施設を展開し、教職歴32年の楢木野社長の熱い想いのもと、日々試行錯誤を重ねながら、障がいのあるこどもたちとそのご家族を支援しています。人とのつながりや趣味は、人生を豊かにしてくれるもの。果実の木では、こどもたちにとって大切な就学期に、さまざまな体験や出会いを得られるよう、多彩なプログラムや活動の機会を積極的に提供しています。

今回は、「果実の木」を牽引する楢木野社長に、これまでの歩みやこどもたちへの想いを伺いました。

教員歴32年から放デイの世界へ。
きっかけは“我が子”と“社会貢献”

もともとは小・中・高で教員として32年間勤務していました。退職後は、飲食や産業廃棄物処理など、まったく別の分野にも関わっていたのですが、当時「果実の木」の前オーナーから「運営を引き継いでほしい」と何度も声をかけられていたんです。

実は私自身、発達障がいのあるこどもを育てていて、「自分がいなくなった後、この子はどうなるのだろう」と将来への不安を感じていました。だからこそ、障がいのあるこどもたちと、その保護者の支えになりたいという想いで、この道に踏み出しました。

果実の木は、“小さな社会”の学び場

果実の木は私が働き始めたときはまだ3教室でしたが、今では13教室にまで広がりました。ここではまず「楽しい」が大前提。そして遊びの中で、社会性や体力を自然と身につけてもらいたいと考えています。農業体験や伝統行事「どんどや」、オーシャンアローでのカモメへの餌やりなど、果実の木ならではの多彩なプログラムを通じて、こどもたちがのびのびと成長できる環境づくりを大切にしています。学校も学年も異なる子たちが集まる「小さな社会」で、互いを思いやりながら過ごす時間は、やがて大人になるための大切な経験につながると信じています。

忘れられない“ひとりの子”とのエピソード

こどもたちから時には心ない言葉を投げつけられたり、叩かれることもありました。でも、私はそれを怒るのではなく、笑いに変えるようにしています。ある日叩かれたときは、「血が出た~!千くらい痛かった!」とオーバーに反応し、「これくらいで叩くんだよ」と肩をポンポン。そのやりとりがきっかけで仲良くなりました。

実はその子は今、果実の木でスタッフとして働いています。「保育士になりたい」という夢を聞いたとき、学校では別の進路を勧められていましたが、私は「じゃあ、果実の木で実習してみない?」と提案。先生にも私から「ぜひ果実の木で実習してほしい」とお話させていただきました。そして見事実習を経て、今年4月から果実の木スタッフとなってくれました。

このように、自らも通っていた場所で働きたいと願い、実習に来てくれている子が他にもいます。“障がいがあるからこそ、分かる気持ちがある”——だからこそ、こどもたちとの接し方もとても上手なんです。彼らだからこそできることは必ずあると思っています。

実習生にアドバイスする楢木野社長

果実の木で大切にしているのは、
“また来たい”と思える場所づくり

私たちが目指しているのは、「大人になっても、ふらっと帰ってきたくなる場所」です。実際に顔を出してくれる子もいて、後輩たちに「自分もここにいたんだよ」と話してくれる瞬間が本当に嬉しいです。

「果実の木」という名前を聞くと、実(成果)に注目されがちですが、私たちが大事にしているのは“木”の部分。どんな果実も、しっかりと根を張った木から生まれます。こどもたちの個性や特性という“幹”を大切にし、成長の土台を一緒に育てていきたいと考えています。

駒澤大学駅伝部との“縁”と、桜十字グループとの連携

実は私、大学時代は駒澤大学の駅伝部でした。今でも走ることが好きで全国男子駅伝の熊本代表監督を務めていたこともあります。そして、果実の木が桜十字グループに加わった年、駒澤大学は箱根駅伝で優勝を果たしました。しかもその年、桜十字は駒澤大学の箱根駅伝のスポンサーを務めており、なんだか運命的な縁を強く感じています(笑)。桜十字の理念「ハッピースパイラル」のように、医療や介護の力と連携しながら、こどもたちの未来をより豊かに支えていければ嬉しいです。


「未来は、きっと大丈夫」
そう思える“ウェルビーイングな居場所”へ。

こどもたちの安心、挑戦、そして心からの笑顔があふれる毎日を。果実の木は、どんな特性があっても、誰もが自分らしく輝ける社会を目指して、今日もそっと、でも確かに、こどもたちの背中を押し続けています。

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