最近、人と話す時間が減ったと感じることはありませんか？
忙しい日々は、知らないうちに心のゆとりや人とのつながりを薄くしてしまいます。そんな時、そっと寄り添い、日常に笑顔をもたらしてくれる存在、それが犬や猫などのペットです。ペットは癒しだけでなく、健康効果や地域活性化に直結する力を持つことが、国内外の研究で明らかになっています。
高齢者の健康寿命を延ばすペットの力
犬や猫の飼育は、高齢者の生活において健康寿命を延ばし、社会的健康を支える重要な存在です。世話をすることで生活に目的意識が生まれ、自然と身体活動量も増加します。
東京都健康長寿医療センターの調査では、犬の飼育経験がフレイル発生リスクを約20％減少させ、要介護認知症発症リスクにおいては40％低減する可能性が科学的に証明されました。特に犬の散歩は地域住民との自然な交流を促し、孤立感を軽減する社会的効果も確認されていて犬への愛着が強いほど飼い主の活動量は高く、情緒的な絆が行動変容を促すことも示されています。通常の歩行と同程度の運動強度である犬の散歩を日課にすることで、高齢者の健康維持にも効果的です。
桜十字が運営する介護付き有料老人ホーム「ホスピタルメント青山」では、ペットと一緒に暮らせる環境を提供しており、ご入居者さまの生活の質向上に大きく貢献しています。
子どもの情操教育と発達を支えるペット
「子どもができたら犬を飼いなさい」というイギリスの詩があります。そこには、犬が子どもの成長に寄り添い、日々の暮らしの中で多くの学びや気づきを与えてくれる存在になることが語られています。
毎日のお世話を通じて「責任感」が育まれ、ペットからの愛情表現を受け取ることで「感謝の気持ち」が芽生えます。さらに、言葉を持たないペットの仕草や表情を理解しようとすることは「コミュニケーション能力」や「共感力」を養うきっかけになります。新しい芸を教えるときには「忍耐力」が試され繰り返し努力する大切さを学ぶでしょう。
こうした経験は家庭内にとどまらず、地域での交流や友だちとの関わりにも関係し、そして社会的つながりを広げる力となります。ペットは遊び相手を超え、子どもの未来を支える“共育パートナー”なのです。
犬の散歩が広げる地域コミュニティと安全
犬の散歩は、飼い主同士はもちろん、ペットを飼っていない人との自然な交流も生み出します。
このつながりは、多様な人間関係を築く“ゆるやかな絆”として、地域の情報共有や助け合いの土台になります。東京都内の研究では、犬の散歩をきっかけに生まれるネットワークが、地域イベントや暮らしの情報交換、さらには災害時の相互支援にも発展することが明らかになりました。犬は飼い主にとって“社交のきっかけ”となり地域活性化にもつながる橋渡し役になります。
ペットがつなぐ健康・教育・地域の未来
ペットは個人の癒しを超えて健康効果、高齢者の健康寿命延伸、子どもの情操教育、地域コミュニティの活性化など多方面で社会的健康を支えています。地域内での信頼や助け合いの土壌が広がることで、孤立や不安を感じにくい環境が育まれ、誰もが安心して暮らせる持続可能なウェルビーイング社会の実現が期待されます。
ペットと一緒に心も身体も健やかな毎日を育んでみませんか？
参考文献
環境リスク・健康領域（発表日：2025年5月1日）https://www.nies.go.jp/risk_health/article/column002.html
東京都健康長寿医療センター研究所 ペットとの共生が人と社会にもたらす効果
（発表日：2023年4月3日）https://www.tmghig.jp/research/topics/202304-14828
犬曰く 日本全国に広がる取り組み「わんわんパトロール」、その社会的な影響は？ネットワーク
（発表日：2024年9月12日）https://inuiwaku.net/58695/
ペットを通じて子供に5つの大切な価値（2025年9月1日発表）
（発表日：2025年9月1日）https://toyschool.net/petvalue/
ITmeda 飼い主の48.5％が「ペットつながりで知人・友人ができた」 きっかけは？
（公開日：2022年9月28公開）https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2209/27/news183.html