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トヨタ自動車 × 桜十字病院 共同研究報告会を実施しました

2025年5月26日(月)、桜十字病院はトヨタ自動車と共同で実施してきた研究の成果を報告する会を開催しました。本研究は、高齢化社会における安全な運転継続の支援を目指したもので、2024年6月から2025年3月にかけて行われました。

研究の背景と目的

◎トヨタ自動車
高齢化が進む社会において、車の開発にとどまらず幅広い分野での社会貢献を目指すトヨタ自動車。その一環として取り組んでいるのが、「運転寿命支援プロジェクト」です。加齢や認知機能の低下によって運転を控えるようになると、外出機会が減り、生活の質(QOL)の低下につながることがあります。そこで、軽度認知症の兆候を早期に検出し、安全に長く運転を続けてもらうためのシステム構築に向けた研究が行われています。桜十字病院では、認知症の方への運転支援は行っていないものの、脳卒中の方を対象とした自動車運転再開支援プログラムの実績が評価され、今回の共同研究へとつながりました。

◎桜十字病院
桜十字病院では、当院が行った自動車運転再開支援プログラムが、患者さまにとってよりよい支援だったのかを測るため、またリハビリテーションプログラムの質の向上のために、支援を受けた方に電話でのアンケート調査を行っていました。しかし、電話ではどうしても、実際の運転の様子までは分かりづらいのが現実です。「実際の日常運転の様子を知ることができたら、さらに良いものになるはず。」そんな思いからこのたび、トヨタ自動車と力を合わせることになりました。

研究内容

対象者:桜十字スタッフ・家族・患者さま 計20名
期間:2024年6月〜2025年3月
方法:

  1. 桜十字病院で研究概要の説明と認知機能検査(約30分)
  2. 各参加者の車にドライブレコーダーを設置
  3. 3か月間、普段通りの運転を継続
  4. 最終日に運転診断結果のフィードバックと再度の認知機能検査

※認知機能検査では、処理速度・選択制注意・遂行機能・記憶などの項目をペーパーテストで分析しました。

主な成果

◎トヨタ自動車
ドライブレコーダーのデータをもとに、認知機能の低下と運転行動の関連性を分析。今後のシステム開発やプロジェクト推進に向けて、非常に有意義なデータを得ることができました。

桜十字病院
電話アンケートでは得られなかった客観的データを収集でき、これまでの運転再開支援の有効性を確認。研究により、患者さまが「より安全に運転しよう」と意識を高め、健常者と同等の運転行動を示すことも分かりました。

今後に向けて

今回の研究成果は、今後学会等で発表し、運転再開支援の質向上や安全運転啓発に活用していきます。桜十字病院は、今後も異分野との連携を深め、患者さまの生活を支える新たな取り組みに挑戦してまいります。

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